2026年度 理事長所信
2026年度 理事長所信
公益社団法人飯能青年会議所
第53代理事長 大野 浩史
【はじめに】
私は20代の頃、東南アジアやアフリカ諸国を旅していました。訪れた国の大半が発展途上国であり、教育や治安の整備、生活インフラも満足に整っていない地域がほとんどでした。当時はインターネットが発展途上国にも普及し始めた時であり、先進国の情報が身近になった時代の転機ともいえる状況でした。
日本の標準からすると劣悪とも言える環境下でも、不自由のない暮らしを夢みて、より良い明日のために逞しく今日を生きる人々の、あの目の輝きを忘れることができません。
我々は現状に満足してはいないか。
豊かな自然に恵まれ、生活の利便性も高いこの地域で暮らし、自分にとっての幸福ばかりを考えて生きてきた私でしたが、飯能青年会議所に入会し、志高くこのまちを愛し、まちのため、仲間のために情熱を注ぐ先輩諸兄姉の姿を見て、その尊さを学びました。
飯能青年会議所は52年間の歴史の中で、多くの人財の輩出や事業を通じて飯能市、日高市の明るい豊かな住みよい社会の実現に貢献してきました。しかし、私たちを取り巻く環境は変化し続けています。現状維持は衰退の始まりであります。
変化の波の中で、地域社会が持続的に発展していくために、我々だからできることとは何でしょうか。
青年会議所のユニークな点は、在籍するメンバーが20歳から40歳までという制限があることと、単年度制により、毎年組織構造が変化し個人の担う役割が変わるという点があります。これらは団体としても個人としても保守的にならず、挑戦を続けることができるという特有の強みであり、価値であります。
我々は変化を恐れず挑戦できる青年としてリーダーシップを発揮し、勇気と行動力を持って正しく地域社会をデザインすることで、地域に波紋を起こす最初の石となるのです。
【組織エンゲージメントの向上】
変化こそ唯一の永遠である。
常に変化し続ける地域課題に対応するには、その解決に向かう組織自体も時代に合わせて変化していく必要があります。
我々の運動は、人と人との繋がりという根幹があってこそ一段と活発化していきます。この根をより太く、大きくしていくための機会の創出や、新たな形での情報共有のあり方を模索し実践していくことは、メンバーの多様な価値観や個性を調和し、組織を豊かに、そしてより創造的なものにするための重要な鍵となります。
メンバー個人が活動に注ぐ時間は、自己への投資とも捉えられます。個々が投資した時間のリターンを最大化させるためには、正しく活動に邁進することが初めの一歩目です。
単なる情報の共有だけではなく、目的意識を持ち、なぜやるのかが納得できるような発信が、費やす時間の価値を高めます。
メンバーのポテンシャルを最大限引き出せるように挑戦を続けていきましょう。
【まちづくりと広報誌「はんなーら」の融合】
成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないこと。
広報誌「はんなーら」は1974年6月にその前身であるミニニュース飯能が創刊されて以来、51年もの歴史を持つ飯能青年会議所の重要なツールであり、大きな財産でもあります。これまでにまちの文化、人、自然が織りなす地域の魅力や、時流に沿ったまちの課題を掲載し、多くの市民に情報を発信してきました。
しかし、この地域に対して発信力のある媒体が単なる情報発信ツールに留まってしまうことは、価値の機会損失と言えます。行政、地域団体、企業、住民など、様々な主体との連携を強化し、協働した情報発信と、それに伴う運動を展開することで、広報誌「はんなーら」の可能性をさらに広げ、飯能青年会議所が地域に住む人々にとって有益な団体であり続けることができます。
また、飯能青年会議所単体での運動には限界がある場合があります。現在のリソースを基に地域のデザインを考えるのではなく、5年後10年後の地域をデザインし、未来の地域に最大限のリターンをもたらすための投資という視点が重要です。
持続的なまちの発展に向けて挑戦を続けていきましょう。
【同志の輪を深く、大きく】
やる必要のないことは、上手にやったところで意味がない。
我々飯能青年会議所は、なぜ、何のために日々活動を続けているのか。この根本的な問いに明確な回答ができなくては、その成果に期待することはできません。
入会間もないメンバーが役職に就くことも増えている昨今では、運動の本質を体系的に学べる機会の構築が必要不可欠です。目的に向かう意志の統一や一貫性の向上は、運動の質を高めるとともに、結果に結びつけるための重要な要素です。
原資の大きさはリターンの大きさに直接影響する。これは投資の世界における基本的な原則であり、多くの経済活動にも共通する考え方です。
我々にとっての原資とは同志です。より多くの同志がいる組織であれば地域に対する影響 力が大きくなることは明白です。我々の想いを統一し広域に伝えることで同志の輪は必ず大きくなります。
運動の質を高める人財開発と、同志の輪を広げるための効果的な広報。この2本の柱を確立させることは、持続的な組織づくりにおいて普遍的な価値を持ちます。
「集める」から「集まる」組織へと進化するため、挑戦を続けていきましょう。
【結びに】
“Now or Never”
今やるか、一生やらないまま終わるか。
青年会議所活動は一度きりです。
その年度、その組閣での忘れ物は取りに帰ることができません。また、卒業を迎えればJC生活を取り戻すこともできません。
今、活動ができる時点で、大きなチャンスを得ているのです。チャンスを自ら逃すことは損失であります。
一度きりの活動を継続的な運動にしていく中では、楽しいこともあれば、辛い局面もあります。しかし逆境の中にこそ、人間としての成長のチャンスがあるのです。
そして、逆境の中で苦しみながらも、まるで冷たい水の中を震えながら登っていくような姿は、必ず仲間の心を打ちます。諦めという名の鎖を身をよじって解いていった先には、地域の明るい未来が拓けていると確信しています。
我々の今が、地域の未来を創造します。
最後には仲間と一緒に笑えるように。
そしてその後ずっと一緒に笑えるように。
このかけがえのない時間を精一杯楽しみましょう。