理事長所信

公益社団法人飯能青年会議所

第45代理事長 荒井淳次

 

 「恩」と書いて「めぐみ」と読みます。私たちはこのまちの人々や自然から多くのめぐみを受けています。恩返しという言葉がありますが、恩を返すだけではなく、さらに別の誰かにもめぐみを与えていく。めぐみがつながっていけば、それはいずれ輪となり、ひとも自分も幸せになる。恩をつなぐという考えを根底に持ち、活動していきましょう。

 

<45周年を迎えて>

 長きに渡り紡がれてきた飯能青年会議所の運動は、45周年というひとつの節目を迎えます。「明るい豊かな住みよい社会」を作ろうという創立当初からの熱き想いは、その後絶やされることなく脈々と今日まで継承されてきました。この組織を存続させていただいたご恩に感謝をし、先輩方の想いを絶やさぬよう、良き伝統を守りながらも時代に合わせた大胆な改革を行ない、また会員の資質を高めることによって、受け継がれてきた想いをさらに強く次の世代に伝えていくことが、私たちの使命なのです。

 

<自己の成長を求める>

 人は人でしか磨かれない。私たちが先輩や仲間たちから影響を受け成長をさせて頂いたように、次の世代にそれをつないでいく上で最も大切なことは、自らが成長を求め、周囲に好影響を与える人財になることに他なりません。

 人類誕生から積み重ねられた英知を学び、成長の場に勇気を持って身を投じ、自らの成長を追い求めていく。そうして確固たる自信を得たメンバーの情熱的な言動は、どんな場面でも人の心を動かすことができるはずです。心が動けば、人は動きます。人が動けば、社会が動くはずです。自らの周りから大きな動きが起きていく、そんな人財を目指し、研鑽に励みましょう。

私たちが住み、働かせていただいているこのまちをよりよくするためには、周囲を巻き込みながら好影響を与えることのできる人財をこのまちに多く作り出す必要があると考えます。まずは私たち自らが成長をし、まちの方々を巻き込んで共に成長していくという好循環を生み出しましょう。

 

<地域に根付くまちづくり>

私たちがいま生きているこの地球は、子ども達からの借り物である。借りたものと考えると、それを汚して、あるいは壊して返すわけにはいきません。未来永劫この地域がまちとして持続していくためには、全国的な人口減少時代の中で、量的な人口増加も大事ですが、市民一人ひとりが地域の課題を自分ごととして捉える意識を持つことが必要なのです。

 それを達成するために、地域の課題を調査・分析した上で最も取り組むべき課題をひとつ決定し、その課題の解決に向けた、「自分たちにもできるかもしれない」と誰もが思えるような事業のモデルを構築し、それを共に実行していくことで市民の方々に機会を提供し、意識変革を起こしていく。意識の変わった市民の方々が自ら地域をよりよくしていくような第一歩となる事業を行なっていくべきなのです。「持続可能性(サステナビリティ)」をキーワードとし、事業自体が利益を生み、また人的資源にも無理がなく、少しずつでも大きくなる可能性を持ったものであれば、その事業は地域に根付き、持続的に市民の意識変革を起こしていくはずです。

今こそ、まちづくりの機運を高める一歩目を市民と共に踏み出し、地域の大きな発展へとつなげていきましょう。

 

<はんなーら>

 自然・文化・歴史・ひと。このまちには財産とも言える魅力的なコンテンツが多くあり、その周りにはそこに関係する多くの人々の想いがあります。まちに散らばる想いを、飯能青年会議所の誇る広報誌はんなーらによって広く報せていくことで、このまちのファンがより増えると考えます。

 最大限、はんなーらが地域に与えるインパクトを高めるためには戦略が必要です。はんなーらをひとつの「事業」として改めてしっかりと見つめなおし、はんなーらでこのまちをどう変えていきたいのかという目的を明確にし、どうしたらより多くの方に目を通して頂けるのか、どうしたら読んだ方の意見や感想を効率的に得られるのかというところまで考えなければなりません。そして立てた戦略に最も効果的である誌面を作成するために、まちで活動する市民の想いや、先人たちの想いを取材し、そうして得た情報を青年らしい大胆かつ斬新な発想から「政策や提言」として昇華させ、発信していきます。

 まちに散らばる想いが、はんなーらにより市民の方々に広く知れ渡ることで、まちは想いで結ばれ、それが愛郷心へとつながっていきます。まちを愛する人々はまちをよくするために主体的に行動を起こし、まちに活気があふれていきます。

 

<会員拡大>

 飯能青年会議所はこれまで多くの素晴らしい事業を行ってきていますが、あるアンケートでは認知度が30%と低く、まちの中での認知度が高いとは言えない状況です。また、活動の実情が良く知られていないため、様々な誤解を受けていることも、まちの方々と話をする際に感じます。私たちの運動の意義を正しく伝えるために、他の団体にはない飯能青年会議所の魅力や価値を、メンバー全員が自らの言葉で確固たる想いを持って拡大対象者に伝えていくことこそが、会員拡大につながります。

 そして、新入会員を拡大したメンバーの想いや努力を無駄にしないためには、入会後のしっかりとしたフォローが必要となります。全メンバーがその意識を常に持って、新入会員と接していきましょう。

 また、良質なウェブサイトの運営は、組織の認知度や理解度の向上にかかせないものです。特に拡大対象者のニーズに合った内容や構成でウェブサイトを作成した上で、多くの市民の方に見ていただけるようメンバー一丸となって、様々な場面でウェブサイトの閲覧を推進しましょう。

 

<想いと経験が伝わる強靭な組織へ>

 単年度制、委員会制という青年会議所の素晴らしいシステムですが、過去の経験や知恵が後の活動に反映されづらいことや、他の委員会のメンバーとの交流が希薄となってしまうというデメリットも持ち合わせています。現役メンバー内で横の交流を広げ、過去から未来へ経験や知恵を縦につなげていく。そうして織りなされた組織は、何事にも動じない強靭な組織になると思います。

 そのために、ひとりのメンバーの想いや努力を多くのメンバーが知ることのできる、心の通った「想いのネットワーク」を構築します。それにより現役メンバーは委員会・年齢・役職という垣根を越えた交流が可能になります。

 また、一つひとつの例会・事業の目的、結果、反省点をしっかりと検証し、それを翌年のみならずその先にも伝えていくための、「経験のデータベース化」も必要であると考えます。新たなチャレンジをしやすいという単年度制が持つメリットの障壁にならないように注意しながら、後世まで続くデータベースを構築すべきです。

ひとりの想いと経験が現役メンバーのみならず、先輩方そしてまだ見ぬ未来のメンバーにまでしっかりと伝わるような素晴らしい組織を作っていきましょう。

 

<結びに>

 守るべき家族や従業員、同僚たちが私たちに願うことは、このまちの明るい未来の実現と、私たち自身の成長であると私は考えております。青年会議所に送り出して頂いている大切な人たちのご恩に報いるためにも、またこのまちに住むひとりの人間として、人々や自然から頂いているご恩に報いるためにも、運動にしっかりと向き合い、一人ひとりがまちの未来を真剣に考え、また積極的に成長の機会を得るべきではないでしょうか。そしてそのすべては私たち自身のためでもあります。

ただし、私たちはこのまちを即座に劇的に変えることはできません。私たちの行なっていることは、大河の一滴にすぎないからです。その一滴が大河の流れを変えることはありません。しかし、なにも行わなければその一滴すら生まれません。私たちの生み出す一滴は大河に波紋を起こし、その波紋はいつの日か必ずこのまちのすみずみまで伝わり、明るい豊かな社会に向けた流れへと必ずつながっていくはずです。そのことには一点の疑いをも持つことなく、日々活動していきましょう。誠実に、実直に、謙虚に、そして真摯に。